
GBA=最強の2Dゲームマシン
携帯機ながら、一部で「最強の2Dゲームマシン」と呼ばれたゲームボーイアドバンス(GBA)。
ゲームボーイカートリッジよりもさらに小さなROMカセットを使用したゲームボーイアドバンス用ゲームは、ファミコン時代から続く2Dゲーム技術の結晶とも言えるものでした。

スーパーファミコン用ソフト「F-ZERO」や「マリオカート」といった疑似3Dタイトルがゲームボーイアドバンスでも発売されましたが、それらは下位移植作のようなものではなく、さらにスペックアップして画面狭しと表現力を増した上位作品・後継作品と呼べるものでした。
プレステ・64以降主流となった3D技術とは無縁のドットピクセル表現は、この時期もはや職人芸の粋に達しており、事実 老舗メーカーのひとつハドソン(元コナミ傘下)では、アドバンス用ゲーム開発ニーズに対してドット絵が描ける「ドッター」が不足してしまったために当時の重役たちが現場復帰してかつて現役グラフィッカーだった頃の職人芸を復活させたという逸話もあります。
究極のピコピコ音源
音楽的にもゲームボーイアドバンスは「最強のチップチューン機」と呼んで差し支えないでしょう。
「ロックマンエグゼ6」は、途中でプレイするのをやめてBGMを何度も繰り返し聴いたものです。
特に「Digital Strider」と「Break the Storm」という曲を始めて聞いた時、雷に打たれたような衝撃を受けました。こんなかっこいいピコピコサウンドがまだ作れたのか!

往年のゲーム音楽のなかでも特に愛されている「ロックマン」シリーズですが、歴代最後のROMカートリッジ機であるGBA~DSで展開された「エグゼ」シリーズはいわゆる「チップチューン Chiptune」と呼ばれる音楽ジャンルの最高峰とも言える完成度を誇っています。
ロックマンの「あの感じ」
「ロックマン」シリーズと言えば、ファミコンを代表するチップチューンの名曲揃いです。キャッチーかつ独特のケレン味ある曲調は一度聴いたら脳裏から離れないカッコよさをたたえていました。
続く「ロックマンX」シリーズは、スーパーファミコン独特のこもった音質とややシリアスな世界観が影響して少しイメージの違うものになりました。
その後アドバンスで展開された「ロックマンエグゼ」シリーズでは、
初代「ロックマン」から続く”あの感じ”、ハッタリが聞いていてやたらカッコいい、すべての男の子をウズウズさせる独特なフレーズの数々。そういうロックマンサウンドが、エグゼシリーズには受け継がれています。
データ容量の限られたROMカートリッジという世界で、サンプリング音源を要所に散りばめて使い回すことで迫力があって飽きにくいサウンドを実現しています。
シリーズ全曲入りサントラはマストバイ!
前述の「Digital Strider」と「Break the Storm」が含まれるロックマンエグゼ6は、エグゼシリーズとしても最終盤にあたり、5DSとトラッンスミッションを除くシリーズすべての作曲を担当してきた青木佳乃さんの技術もさらに高度な領域に踏み込んだ最高傑作だと思います。
当時、青木さんへのインタビューでは、限られたデータ容量への挑戦が語られていました。
まさに家庭用ゲーム創世記のプログラマーのような試行錯誤を2005年当時のコンポーザーが繰り広げていたわけで、まさに日本ゲーム音楽の歴史の結晶だという気がします。
2016年にはエグゼシリーズ15周年を記念して、シリーズ楽曲全部入りのBOXセットや、シリーズ楽曲いいとこ取りアレンジ集などもリリースされていますので、未聴の方はぜひ聴いてみてください!
(^ω^)