
2019年3月、「DLmarket(ディー・エル・マーケット)」からサービス終了のアナウンスが有りました。
・セキュリティの問題が発覚しシステムリニューアルが必要になってしまったこと
・競合サービスに売り手買い手が移ってしまったこと(競合サービスの台頭)
・停止期間中の赤字
などが影響したと考えられます。
以下が会員向けに送られたメールの全文です。
From: DLmarket運営事務局
Date: 2019年3月25日(月) 19:14
Subject: 【重要】「DLmarket」におけるサービス終了に関するお知らせ(ダウンロード会員各位)
ダウンロード会員各位
ディー・エル・マーケット株式会社が運営するデジタルコンテンツに特化した
ダウンロード販売専門のマーケットプレイス「DLmarket」(以下、「本件サービス」)は、
2018年11月12日よりサービスを一時停止しておりましたが、2019年6月28日をもちまして、
カスタマーサポート含め、サービスを正式に終了することにいたしましたので、ここにご報告申し上げます。
■ サービス終了に至った経緯
「本件サービス」に関しましては、外部からの不正アクセスにより
クレジットカード情報の一部が流出した可能性があることが判明したため、
2018年11月12日より本件サービスの提供を停止しておりました(参照:https://www.dlmarket.jp/info20181225)。
これを受け、再発防止策を講じるため、外部の専門機関2社によるフォレンジック調査(※)を実施し、
本件サービスの再開に向け、システムの調査およびセキュリティ強化の検討を進めてまいりました。
※PCやサーバなど電子機器に蓄積されるデジタルデータに法的証拠能力を持たせる調査・分析
しかしながら、お客様にとって安心・安全なご利用環境を提供していくには、
システムの抜本的な作り直しが必要であることが判明しました。これには相当な期間を必要とすることに加え、
市場環境など、事業運営における様々な要素を総合的に検討した結果、
本件サービスの再開を断念し、終了させていただくことにいたしました。
ご利用いただいたお客様をはじめご関係者の皆様には、
このような結果となり、多大なご迷惑をおかけいたしますこと、心よりお詫び申し上げます。
■ 購入者(ダウンロード会員)の皆様への対応について
本件サービス終了に伴い、過去に購入されたデジタルコンテンツの再ダウンロードにつきまして、
お問い合わせいただいた方には、商品データの準備が整い次第、順次メールにて個別にご案内いたします。
なお、再ダウンロードのご依頼の受付は【2019年6月28日 12時】までとさせていただきます。
購入商品の再ダウンロードに関する問い合わせフォーム
https://www.dlmarket.jp/form
また、DLコインを保有されている皆様へのご返却方法とその時期については、
【2019年3月末】を目処に対象者へメール配信にて個別にご案内いたします。
【商品データの再ダウンロードに関する注意事項】
・本件に関するお問い合わせが多数の場合、商品データの提供にお時間をいただく可能性がございます。
・メールによる本人確認を必須とさせていただくため、お電話でのお問い合わせでは対応できかねる旨、予めご了承ください。
・以下に該当する場合、再ダウンロードできないことがございます。
@)該当商品のアップロード会員(販売者)が、退会または販売を終了している場合
A)該当商品の権利関係によって、再ダウンロードが認められていない場合
B)該当商品のアップロード会員(販売者)が、購入時からデータを差し替えている場合
・商品の再ダウンロードについての詳細は、よくあるご質問をご確認ください。
よくあるご質問 https://www.dlmarket.jp/#faq_dl
■ 本件サービス終了までのスケジュール
(2019年3月末日まで)【以下の事項に関する対象者へのご連絡】
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・購入者(ダウンロード会員)の皆様へのDLコインの返却方法とその時期
・販売者(アップロード会員)の皆様への残額のお支払い方法とその時期
・アフィリエイト会員の皆様への残額のお支払い方法とその時期
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(2019年6月28日 12時)【サービス終了】
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・販売者の皆様の出品商品データの再ダウンロード受付停止
・購入者の皆様の購入商品データの再ダウンロード受付停止
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■本件に関するお問い合わせ窓口
0120-790-230 受付時間:9:30〜18:30(平日のみ)
info@dlmarket.co.jp
お電話が繋がりにくい場合は、下記URLをご参照ください。
https://www.dlmarket.jp/
※本メールは2018年11月30日時点でDLmarketのダウンロード会員に
登録されている方にお送りしております。
※本メールをお送りしているアドレスは送信専用となります。
直接ご返信いただいてもお答えできませんのでご注意ください。
お問い合わせされる際は、お手数ではございますが
本メール記載の窓口までお問い合わせのほどお願い申し上げます。
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●デジタルコンテンツのダウンロード販売マーケットプレイス
DLmarket https://www.dlmarket.jp/
ディー・エル・マーケット株式会社
東京都渋谷区恵比寿1-20-22 三富ビル本館5F
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データの売買プラットフォーム
純粋なデータの売買プラットフォームは、
- BOOTH、Gumroad(データ全般)
- Amazon Kindle、Kindle Unlimited(電子書籍)
- note、medium(記事、テキスト)
- Steam、Playism、Epic Game Store(インディーズゲーム)
- BandCamp、SoundCloud(mp3)
などが存在します。
PIXIVが運営する「BOOTH」は、「クリエイターによる創作物の総合マーケット」を謳っています。
こちらでは、執筆開始から24時間以内に販売する「マッハ新書」が展開されたり、同人イベントとリンクした「C95」「技術書典6」「BOOTH Festival デジタルゲーム回」といった”タグ”が特集としてフィーチャーされています。
デジタルデータだけでなく、ハンドメイド作品、コスプレROMといった物販も可能なプラットフォームとなっており、「あんしんBOOTHパック」という匿名配送システムも用意されています。
Kindleやnoteはテキストデータを販売するチャネルです。
ボリュームの大きい物は電子書籍、小さいものは有料ノートに符号しますが、コンテンツ量の大小だけではなく、ユーザーとのエンゲージメント(結びつき方)も異なります。
そもそも本とは、一期一会的に出会って、手にとって買われるかどうか。
1アイテムごとの決済という意味では電子書籍も有料ノートもおなじですが、"ノート"は有料だけでなく無料ノートも含んだ著者のファンになるコミュニティであり、半分サブスクリプションモデルのようなものです。
完全にサブスクリプションモデルでテキストデータを売る「有料メルマガ」もありましたが、現在はかつてほどの勢いはなく、多くの著名人が撤退していますね。むしろ、「サロン」や協会ビジネス・家元制度なんかのほうが隆盛です。「教える」「学ぶ」という行為、先生と生徒という関係は、サブスクリプションモデルの原型です。学校・習い事・教室がサブスクリプションモデルの元祖と言えるでしょう。
コミュニティ型
- Twitch、ニコ生(ライブストリーミング)
- Patreon、Fantia、PIXIV FANBOX、CHEERZ(ファンクラブ、写真、動画)
Patreon、Fantiaなどはサブスクリプション型のファンクラブ・プラットフォームです。そこでは月額料金ごとにティアが別れ、ティアごとに閲覧・DL可能なコンテンツが異なります。
趣味を兼ねて月に1〜数回フォトセッションを行い、それをファンに販売することができるので、コスプレイヤーにとって大変便利なプラットフォームです。
海外では月に数千ドル稼いでいそうな、完全にこのプラットフォームで食っていそうなコスプレイヤーも見受けられます。
コスプレイヤーにとっては年に数回のコミケのような大きなイベントでROMを販売するよりも運営しやすく、自己肯定感も得やすいでしょう。
CD、写真集やDVDで回収するアイドル・グラビアアイドルなんかにもピッタリのビジネスモデルだと思われますが、2019年上半期時点ではまだまだ移行は進んでいるように見えません。
その他
- CampFIreなどのクラウドファンディング利用
- Amazonマーケットプレイス、楽天
- メルカリなどのフリマアプリ利用
クラウドファンディングは、資金調達うんぬんというよりはもはや単なるプリセールスの場であり、見込み客に先にお金を出させる仕組みです。これもプレミアムな幻想をエンジンとしたファンコミュニティの為せる技と言えるかもしれません。
Amazon、楽天、ヤフオク、メルカリなどは、物販のプラットフォームですが、時折ダウンロードデータも販売されています。利用したことのある回数、決済の安心感は他のサービスよりも高いはずです。フリマアプリは、ユーザー層ごとに別れて利用されている傾向が強いです。
他にも、YouTube、Instagram、TwitterなどのSNS・CGMも、フリーミアムモデルのデータ売買プラットフォームと考えることもできますね。
YouTubeは広告モデルなのでわかりやすいですね。要するにYouTuberとか、ニュース動画、テレビ録画の勝手再配信などです。粗製乱造されたコンテンツでも受け入れられるほど超巨大なコミュニティであることは言うまでもありません。
インスタやTwitterなどは直接利益を生みませんが、ファン・信者・生徒を醸成するための場です。自分をインフルエンサーとするならば、ファンを感染させるためのウイルスの増殖試験場がSNSなのであります。
ゴールとなる落とし所・キャッシュポイントは言うまでもなく、前述の様々なチャネルでの販売です。
(^-^)