そういえば「コミックマーケット創世記」はどこにあったっけ、このタイミングできちんと読んでおこう、とおもって部屋を捜していたら、ジョージ・オーウェルの「1984年」がでてきた。
セプテンバーイレブン以降の思想・論壇でしばしば参照されるSF小説だが、実はまだ読んだことがない。
要点を知っているだけだ。
何処で買ったのかも思い出せなかったが、それもそのはず、今年の正月に奈良の叔父からうまいこと言ってかっぱらってきたものだった。
叔父はいまごろ本棚を捜しているかもしれない。
そういえば「ビッグブラザー」だのなんだのと知ったのは、大学の講義でフーコーのパノプティコンの流れで教わったのが最初だった気がする。00年のことだ。さすが恩師は卓抜した洞察をお持ちだったのだと改めて感服する。
今また村上春樹という、日本でいちばん存在感の大きな作家が題材とすることで、恩師から10年ほど遅れて皆が何か考え始めるのだろう。
叔父とはたまに電話で話すこともあるが、先生とは2003年にお会いしたっきりだ。
年に一度くらい、Googleで検索してみたりする。
あの頃よりずっと良い環境で、ずっと良い学生たちに囲まれているようで、安心すると同時にブラウザを閉じてしまいたくなる。
別にロストジェネレーションだのアダルトチルドレン(懐かしい)だの言う気はないが、なんかだか中途半端に切なくなる。
こんなことを考えるのは、色んな仕事を自分なりに命懸けでやってきて何周も何周もしたうえで、「初心」というものを置き去りにしてきたなーと少し後悔しているからだろう。
こんなんだから、なんとなく「今のグレーな状況なら、グレーなことしても面白けりゃアリじゃね?」なんて軽率なことをしでかしてしまうのだ。
何が恥ずべき行為か、評価に値するものは何か、ただの3流美大生だったころの自分でも知っていたのに。
10年おくれで目が覚めたのは、他ならず僕自身なのだ。
なっさけねーことしたなぁと思う。
どこかでも「こんなことするやつがクリエーターか?」というような事を書いてあるのをさっき見ました。
まさにおっしゃるとおり。
反論は、できない。
著作権を重んじない一方で、自分のつくるものはどうぞ世間の皆さん認めてくれ、では筋が通らない。きちがいじみた言い分だ。
もっと志しを高くもたなければだめだ。
地を這うような姑息な真似はしてはいけないのだ。
卑屈になる日があろうとも、焦りに駆られて見失う日かあろうとも、まっすぐ自分を生かし抜かなきゃだめだ。


