通常のFlashオーサリング時に意識して使うような明示的な機能ではありません。
これを意識するのは、Illustratorからパスデータを読み込ませてムービープレビュー/パブリッシュするときに次のようなワーニングが出力されたときです。
このプレーヤーでは、線の拡張機能はサポートされていません
■「線の拡張機能」は明示的なメニューやコマンドではない
FlashIDE自体がバージョン8以降だと、この「線の拡張機能」を使ってオーサリング出来ます。
前述の通り、コマンドやメニューに明示されている機能ではありません。知らず知らずのうちに作業者はこの機能を使っています。
一方、出力するターゲットプレイヤーのバージョンがFlashLite1.1やFlash7以前だと、この「線の拡張機能」は使えません。
だから、気付かずにこの機能を使ったままパブリッシュした時に、「バージョンが古くて、この新しい機能は使えないけど大丈夫?」と注意されてしまうわけです。
この記事では、この「線の拡張機能」とは具体的にどういうものなのか、予想されるトラブルと解決方法を説明していきます。
■ パブリッシュ時の挙動
このワーニングは無視してパブリッシュしたものを公開・配布してしまっても動作には問題ありません。
ただ、
- パブ リッシュ時間が長くなるなど
- 線の形状が強制変換される
■ 「強制変換」とは何を指すのか
「拡張機能」というからには、Flashの線には「標準」の状態と「拡張」された状態があります。
拡 張された状態の線を標準に戻すには、プロパティから
- 「線のヒント処理」のチェックをはずす
- 「伸 縮」は標準
- 「線端」は丸型
- 「結合」は丸型
- 「マイ ター」は3
これが「標準の線」です。
逆に、これ以外は「拡張された線」です。
そ もそもここでいう「拡張」とは、Flashの(しょぼかった)線の扱いがIllustratorの(ちゃんとした)線の扱いに技術的に追いついた、 ということを意味します。
Illustratorで、Flash7以前でもサポートされる線を使っているだけなら、「標準」の線というこ とになります。
逆に、Illustratorで、Flash8以降で追加されたタイプの線を使うとそれは「拡張」された線を使っているということ になります。
これをFlash7以前の形式でパブリッシュしようとすると「線の拡張機能はサポートされません」と注意されてしまうという カラクリです。
■ シンプルな解決方法
上記のようにプロパティから線を設定することで「拡張機 能」ワーニングが出ないようにすることができます。
でも、このワーニングを無くす為だけに、Illustratorから読み込んだ線をいちいち設 定していくのはとても面倒です。
自分がIllustratorでデザインしたらならどこに問題があるのかも見当がつきやすいです が、別のデザイナーから受け取ったaiファイルなどの場合はもう大変です。どこに拡張された線を使っているのか、一本一本調べていかないといけないのです から!
この問題をいちばん手っ取り早く解決するには、
Illustratorのパスデータを一度Fireworksに読み 込ませるというものです。
ファイルの読み込みでもコピーアンドペーストでもかまいません。
Firerowksでは7以前の FlashIDEと同様、拡張機能を解釈しない(強制変換する)ので、このFireworksのパスデータをFlashにもってくるとすべて「標準」の線 になっているのです。
これは便利!
線の拡張機能についてもっと詳しく理解したい方は、こちらを読むとよいでしょう。
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/2110005.html
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