芸能人でも、サッカー選手でも、そのほか何でも。
中年・老人・学生・サラリーマン問わず、どんな世代のどんな立場の人達のなかにも、リテラシーが低く想像力の欠如した人たちというのはいるものである。
政治家にだって選挙権がある。ただ、被選挙権を行使して当選しただけのことである。
人の尺度、考え方、世界観などは人によってさまざまだ。
それが普通の人間というものだ。
あなたにはあなたの尺度があり、あなたの友人にはそのひとなりの尺度がある。
たぶんあなたの考え方と、あなたの友人の考え方は、結構近いと思う。なぜなら、友人なのだから。
たぶんあなたの考え方と、あなたの同僚の考え方は、結構近いと思う。なぜなら、同じ企業に就職するためにそれなりに近いライフコース、能力、方向性を持っていると言えるだろうから。
なぜなら、政治家を簡単にバカにするあなたの友人や同僚には、政治家はいないし、政治家になろうとする人もいないだろうから。
あなたもたぶん、何も分かってないのではないか。
分からないことについてとやかく言っても仕方ないのだ。
政治家は怠慢で、自分自身の役割をちゃんと果たしていないかもしれない。
あなたも怠慢で、自分自身の役割をちゃんと果たしていないかもしれない。
言うなれば政治家はポケットモンスターで、国民がポケモンマスターのようなものだ。
ポケモン同士がバトルするように、政治家同士が政治を行う訳だが、ここで忘れてはいけないのは、バトルの戦略を練るのはポケモンマスターで結果の責任もポケモンマスターが負うということだ。
政治について考えるのは私たち自身の仕事である。わたしたちの責任でもって政治は行われるものである。
政治家に文句だけ言っている人は、怠惰で無責任なのである。
深い考えもなく、首相辞めろ、大臣辞めろ、そういう風に誰か自分以外の者の政治を邪魔しようとするのであれば、怠惰で無責任なのはいけない。
芸能人をバカにしたり、サッカーの監督の手腕に文句を言うのは勝手だ。ただしそれは「正しい」ことではない。正しい/間違いという考え方の外側の、単なる感想である。
あなたの感想を、あなた以外も全員同じように感じるべきだなんてことはない。
メディアの感想を、あなたまで同じように感じるべきだなんてことはない。
完璧なメディアなどない。私たちも、政治家も、完璧ではない。仕組みも完璧ではない。